呪術廻戦

呪術廻戦 伏黒甚爾(ふしぐろとうじ) 完全解説!伏黒恵との関係は?声優・強さ・死亡理由・五条悟とのバトル

概要/プロフィール

呪術廻戦 伏黒甚爾(ふしぐろとうじ)の概要

伏黒恵の実の父親です。
天与呪縛により呪力が全くなく、その代償として人間離れした身体能力や五感を与えられたフィジカルギフテッドの持ち主。
術師殺しを生業としており、大金を稼ぐもののすぐにギャンブルに溶かしてまうため、女の人の所を点々として生活していました。
そんな甚爾は芥見先生曰く”プロのヒモ”とのこと。

呪術廻戦 伏黒甚爾(ふしぐろとうじ)のプロフィール

名前伏黒甚爾(ふしぐろとうじ)
年齢不明
誕生日12月31日
身長不明
体重不明
好きな食べ物肉とモツ
嫌いな食べ物酒(全く酔わないため)
ストレス禪院家

さっぱりとした美男美女が多い禪院家ですが、甚爾もまた、切れ長の瞳が印象的な男前です。
禪院直哉は、他人の容姿を厳しくも的確に見定める節のある男ですが、甚爾の兄弟である甚壱に対し「甚壱君はなぁ…顔がアカンわ。甚爾君と逆やったらよかったのにな」と、甚爾が男前であることを暗に肯定していました。
息子である恵とそっくりな顔立ちですが、華奢な恵に対し、甚爾はフィジカルギフテッドであるからか、かなり筋肉質な体格をしています。

呪術廻戦 伏黒甚爾(ふしぐろとうじ)の生い立ち

禪院家の出身

甚爾は御三家の1つ「禪院家」の出身です。
禪院家は、強力な術式を持つ呪術師達を取り込み、まとめ上げ、歴史の中で揺るぎない地位を獲得してきた一族。
こういった経緯があるため、一言に相伝の術式と言っても「十種影法術」や「投射呪法」など、幾つもの術式が該当し、それが禪院家の強みです。
ですが逆に、相伝の術式を継がずに禪院家に生まれた者は”落伍者として術師人生をスタートさせる”とも言われており、家の者から蔑まれて生きていくこととなります。
禪院家には「禪院家に非ずんば呪術師に非ず、呪術師に非ずんば人に非ず」といった格言も生まれました。
そんな中、甚爾は天与呪縛によって呪力が全くないという特異な存在。
代償として得た人間離れした身体能力や五感によって、甚爾の強さは相当なものでしたが、それは禪院家では認められることのない才能に過ぎず、幼い頃から、呪霊の群れに投げ込まれるなどの酷い嫌がらせを受けていました。
口元の傷もその嫌がらせによってついたもの。
やがてグレてしまった甚爾は、禪院家を出ています。
ちなみに単行本17巻のおまけページにて、甚爾の父が禪院家25代目当主だったことが判明しています。

呪術廻戦 伏黒甚爾(ふしぐろとうじ)の人物像・エピソード者

プロのヒモ

禪院家を出てからは、術師殺しを生業としていた甚爾。
孔時雨という韓国籍で元刑事の仲介人とは、ビジネスパートナーとして関係を築いている様子でした。
闇の職業であるため一度に大金を稼ぐ訳ですが、甚爾は競馬などのギャンブルですぐにお金を使い果たしてしまうため、女の人の所を点々として生活していました。
芥見曰く”プロのヒモ”とのこと。
そんな甚爾でしたが、恵の母となる女性と出会ったことで丸くなり、恵を授かりました。
しかし恵を産んですぐに彼女が亡くなってしまい、また元の荒んだ生活に戻ってしまっています。
恵の母の死因などは明らかにされていません。

頭のキレる人物

甚爾は肉体的な強さもさることながら、頭のキレも並外れており、巧みな作戦を立てることも得意としています。
「星漿体暗殺」の仕事を引き受けた時に甚爾の立てた作戦は、あの五条をも陥れた非常に巧妙なものでした。

”星漿体”とは、天元という不死の術式を持つ術師と適合する体質の者。
天元は不死ですが不老ではないため、一定以上の老化を終えると術式が肉体を創り替えようと”進化”するのですが、その段階には天元の意志がなくなるため、最悪の場合、天元が人類の敵とも成り得るそうです。
天元は優れた結界術の持ち主で、高専各校、呪術界の拠点となる結界や、多くの補助監督の結界術も天元によって底上げされており、天元がいなければ任務をこなす事すらままならなくなる、と言われています。
そのため500年に一度、”星漿体”と”同化”して、天元の肉体の情報を書き換える必要があります。
しかし、天元を崇拝する宗教団体、盤星教「時の器の会」と、天元の暴走による現呪術界の転覆を目論む呪詛師集団「Q」が、この同化を阻止するべく、星漿体の暗殺を目論んでおり、それを知った高専は、特級呪術師の五条と夏油に星漿体護衛の任務を託します。
そんな中、盤星教は星漿体暗殺を、甚爾に依頼したのでした。

甚爾は無下限呪術と六眼を持ち合わせた五条が護衛についている限り、正面から挑んでも勝機はないと早々に判断。
そこで”削り”と”偽のゴール”を用意することに。
まずは匿名の掲示板を使い、星漿体の少女・天内理子に時間制限付きの懸賞金を懸けます。
群がってきた呪詛師達は五条達が瞬殺しましたが、甚爾はもちろんそれは計算の上で、呪詛師達との戦闘で、五条の周りの術師と五条本人の神経をまず”削る”のが目的でした。
そしてその懸賞金の時間制限が切れた時。
これこそが”偽のゴール”です。
時間制限が切れて高専の結界内に入った瞬間、もう護衛の必要がないと判断した五条は無下限の術式を解きましたが、その瞬間を虎視眈々と狙っていた甚爾に、腹を刺されています。
甚爾は「懸賞金が取り下げられる」という「偽のゴール」を作ることで五条に隙を作り、その瞬間を逃さずに襲ったのでした。
そしてすぐさま術式を発動させて甚爾との戦闘を開始した五条ですが、今度は”術式があるから攻撃は受けないはず”という油断が生まれ、それを見逃さなかった甚爾が、発動中の術式を強制解除させる特級呪具「天逆鉾」で五条の喉を突き、そのまま体を引き裂きメッタ刺しにしました。
死に際で五条は反転術式を会得したため復活することが出来ましたが、甚爾の抜かりない作戦とそれを実行できる戦闘能力の高さに、五条も一度は敗北しているのです。

呪術廻戦 伏黒甚爾(ふしぐろとうじ)の関係者

伏黒恵

甚爾を変えた女性との間に授かった、実の息子です。
しかし、甚爾とは違って禪院家相伝の術式を継いでいた恵を、甚爾は禪院家に売りました。
更にそのお金を資金に、恵の義理の姉・津美紀の母である女性と共に、幼い恵を残して蒸発。
小学校6年生の時点で恵は、甚爾について「アイツがどこで何をしてようと興味ない」「何年も会ってないから顔も覚えてない」と発言しています。
高校生となった今でも、典型的な善人である津美紀と対照的な人間として甚爾を思い浮かべて、「俺の性別も知らず恵なんて名前をつけた俺の父親は、今も何処かでのうのうと生きている」などと考えているようです。
幼い自分を売り、姿を消した父親に対して抱く感情としては、当然のものかと思います。
ちなみに甚爾は五条によって既に殺害されていますが、恵は甚爾が死んでいることも、殺したのが五条であることも、未だに知りません。
芥見先生は、甚爾のことはいつか五条の口から恵に伝わるべきだと考えている、といった旨の発言をされています。

呪術廻戦 伏黒甚爾(ふしぐろとうじ)の能力

天与呪縛のフィジカルギフテッド

甚爾は天与呪縛によって生まれつき呪力が全くなく、その代わりに人間離れした身体能力や五感を与えられたフィジカルギフテッドの持ち主です。
真希と同じ天与呪縛ですが、呪力が一般人並みになっている真希に対し、甚爾の呪力は完全にゼロであり、このようなケースは世界中探しても甚爾ただ一人とのことでした。
それ故に代償として与えられたものも、当然真希よりも強力で、身体能力のみならず五感をも研ぎ澄まされていた甚爾は、呪力0にも関わらず呪いを認識することが出来ました。
呪力を完全に捨て去ることで肉体は一線を画し、逆に呪いへの耐性を得たのです。
九十九はそんな甚爾の事を「正に超人」と表現しています。

物を格納できる呪霊との主従関係

甚爾がいつも体に巻き付けていた呪霊は物を格納する能力があり、甚爾はこの呪霊の中に様々な呪具を格納して持ち歩いていました。
甚爾は呪霊をペットの様にひたすら躾ける形で主従関係を結んでいましたが、そこには信頼関係などはなかったそうです。
また、この呪霊のサイズを小さくして飲み込み、腹の中にしまうことも可能な甚爾。
術式などではなしに「呪霊を体内に取り込む」というのは、呪いへの耐性があるからこそできる、フィジカルギフテッドならではの離れ業ではないでしょうか。

呪術廻戦 伏黒甚爾(ふしぐろとうじ)の現在の立ち位置 2021年10月時点

五条に敗れ、死亡

一度五条に勝利し、星漿体・天内理子を殺害した甚爾でしたが、五条が反転術式の会得により復活したことで再戦となります。
戦闘開始早々、五条の「術式反転・赫」を食らい吹っ飛んだ甚爾でしたが、骨も折らずに生存。
そしてこの前の戦いで五条を刺した特級呪具・天逆鉾に、先端を観測されなければ際限なく伸び続ける鎖型の呪具・万里ノ鎖を接合させます。
五条の能力を整理しつつ、この呪具と自分の身体能力があれば、無下限呪術における「止める力」も「引き寄せる力」も「弾く力」も全て問題なしと判断し、再び構えます。
ここで不意に感じた「違和感」
それに気付かぬふりをして戦い続けましたが、五条が、五条家の中でもごく一部の人間しか知らない大技「虚式・茈」を放ち、これをもろに食らった甚爾。
左上半身のほとんどを失う致命傷を負いました。
そこで甚爾は、普段の自分ならば金にならない戦闘など放棄していた筈なのに、覚醒して現代最強の呪術師となった五条を前に、五条を捻じ伏せることで自分を否定した禪院家、呪術界、その頂点を否定してみたくなっていたのだ、と気付くのでした。
そしてそれこそが先程感じた違和感の正体であり、自分を肯定するためにいつもの自分を否定してしまったその時点で、もう負けていたのだと。
「自尊心は捨てたろ」と、瞳を伏せる甚爾が思い浮かべたのは、恵と、恵の母の姿。
そして「自分も他人も尊ぶことない、そういう生き方を選んだんだろうが」と回想しており、その姿は非常に切ないものでした。
五条から「最期に言い残すことはあるか」と問われ、甚爾の脳裏には恵の顔が浮かび、「2,3年もしたら俺のガキが禪院家に売られる。好きにしろ」と、まるで五条に恵を託すような言葉を最期に、亡くなっています。

呪術廻戦 伏黒甚爾(ふしぐろとうじ)の最新の状況 2021年10月時点

渋谷事変中に降霊術により再登場

五条との戦闘にて、12年前に命を落としている甚爾ですが、渋谷事変中にオガミ婆の降霊術によってその肉体の情報が降ろされ、再登場します。
オガミ婆は、甚爾の肉体の情報を依代である孫に降ろし、感情は孫のまま、肉体だけを甚爾の強靭なものに置き換え、最強の兵隊を作る作戦だったようですが、甚爾の特別な肉体が”孫の魂に打ち勝つ”という異常事態が発生。
甚爾の意識をも復活し、オガミ婆を瞬殺します。
降霊術はオガミ婆の死後も継続されますが、通常であれば器である孫の呪力が尽きた時点で降霊も終了します。
しかし、呪力が全くない甚爾の肉体に上書きされた孫の魂には、無論呪力が全くなく、その上肉体が呪力を消費することもありません。
こうして術式は終了する契機を失った上、度重なるイレギュラーによって術式が暴走。
甚爾は自我を失い、ひたすらに強者へと牙を向ける殺戮人形と化してしまいます。
その状態のまま、陀艮と争う恵、真希、七海、直毘人の前に突如登場。
怪力の真希から、特級呪具・游雲を力づくで奪い取り、陀艮へとその牙を向けます。
この時真希は、呪力を感じない人間から、単純にパワーで負けたことに驚愕。
更に甚爾は、全員が殺されかけていた陀艮をそのまま圧倒し、瞬殺しました。
その後牙を向けた先は、なんと恵。
自我のない甚爾と、父親の顔を覚えていない恵は、お互いに知らぬまま親子で殺し合いを始めてしまうのですが、恵の声を聞いた途端、なんと甚爾は自我を取り戻し、自害しました。

禪院家を襲撃した可能性が浮上

甚爾が生前、禪院家を襲撃していた可能性が浮上しています。
そう言われるようになったのは、渋谷事変後の禪院家のストーリーにおける扇と蘭太の台詞がきっかけです。
まずは、渋谷事変後、真希と扇が戦闘になった時の扇の台詞です。
真依を失って覚醒した真希の姿が甚爾と重なって見えた扇は、「身体が覚えている。忘れるよう努めた、あの恐怖」と回想していました。
まるでかつて、甚爾に襲われたことがあるかのような台詞に聞こえますよね。
続いて蘭太の台詞。
扇同様、覚醒した真希と戦っていた蘭太は甚壱に対し、「今の禪院家があるのは甚爾さんの気まぐれだ!気付いてるだろ!真希は今、甚爾さんと同じになったんだ!」と発言しているのです。
この台詞からは、過去に甚爾が真希と同じように禪院家を襲った事、そして気まぐれに蘭太達にトドメを刺さなかったこと、が考えられます。
ただ、甚爾は自分を蔑んだ禪院家を恨んではいたことでしょうが、襲撃した直接の原因は不明です。
読者の間では、もしかしたら恵の母の死と禪院家が何か絡んでいて、その報復ではないか、という考察もなされています。

呪術廻戦 伏黒甚爾(ふしぐろとうじ)についての考察

伏黒恵のことをどう思っていたのか

孔時雨に「恵は元気か?」と聞かれ「…誰だっけ」などと答えていた甚爾。
恵を禪院家に売ったという事実もあり、まるで恵を愛していないのではないかと思われていましたが、どうにもそうではないと思われる素振りがいくつもあるんです。

一つ目:恵という名前

夏油を倒した時に甚爾は「恵まれたオマエらが、呪術も使えねぇ俺みたいな猿に負けたってこと」と呟いた直後、「あー恵って、そうだったそうだった。俺が名付けたんだった」と恵のことを連想していました。
このことから恵という名前は、呪術を使えない自分とは違って「我が子には恵まれて欲しい」と願い、甚爾がつけたのではないか、と考えられます。

二つ目:死に際の台詞

死の淵に立たされた時に思い返したのは、他でもない恵の拗ねたような顔であり、そしてその恵の今後を、甚爾なりの言葉で五条に託していました。
また、こうして恵の顔をはっきり記憶していることから、恵が言っていたように「俺の性別も知らず」だなんて、そんなことはなかったのだということも分かりますよね。

三つ目:降霊術による再登場後の出来事

こちらも先程触れた通り、親子で戦うことになった二人でしたが、甚爾は恵の声を聞いた瞬間に自我を取り戻しています。
そして、恵を売る話を直毘人に持ち掛けた時のことを思い返しているのです。
その回想の中で、話がまとまった後に甚爾が、「恵をお願いね」という恵の母の言葉がよぎるも、それを搔き消し自分に言い聞かせるように「もうどうでもいい。どうでもいいんだ」と考えていたことが判明。
ここで思い返されるのが、五条に敗れた時の甚爾の「自分も他人も尊ぶことない、そういう生き方を選んだんだろうが」という台詞です。
恵の母を失った甚爾は、大切な人を失うという耐え難い悲しみを知り、彼女を失って自暴自棄になっていた自分が、恵をも失ってしまう前に、自ら手放すことを選んだのではないでしょうか。
それこそが”自分も他人も尊ぶことをしない”という、甚爾の自己防衛だったのかもしれません。
ですが、こうして当時の事を思い返したのち、甚爾が恵に投げかけた質問は「オマエ、名前は」の一言。
そこで恵が「…?伏黒…」と戸惑いながらも答えるなり「禪院じゃねぇのか。よかったな」そう言って甚爾は自害しました。
恵が禪院家に売られ無かったこと、それだけを確認し、これ以上息子と争わぬよう自害を選んだのです。
恵を売ってしまったことに対する後悔や、恵を心配していたことが伝わってきます。
魂さえ上書きした天与の肉体も、暴走した術式も、恵という存在が超越した瞬間でした。
殺戮人形と化していた甚爾の自我を、恵の一声が取り戻させた出来事に始まり、甚爾が恵を愛していなければ、有り得ない事態はないでしょうか。

以上のような出来事を踏まえると、甚爾は不器用ながらも恵を愛していたのではないか、と思えてならないですよね。
また、クズだった自分を変えた最愛の人との子供を、これっぽっちも愛していなかった、というのは、少し考えにくくもあります。
そんな父親の思いを、恵本人が知る日は来るのでしょうか。

呪術廻戦 キャラ解説(ネタバレ注意)