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呪術廻戦 日車寛見(ひぐるまひろみ)| 死滅回游泳者 術式・領域展開・弁護士事件とは?完全解説!

呪術廻戦 日車寛見(ひぐるまひろみ)概要/プロフィール

呪術廻戦 日車寛見(ひぐるまひろみ)の概要

羂索によって呪術を与えられ、死滅回游のプレイヤーとなった弁護士です。
現在は東京第一コロニーにいます。
術師として覚醒してから間もないにも関わらず、既に102点を獲得しており、20人以上のプレイヤーを殺害していることになります。

呪術廻戦 日車寛見(ひぐるまひろみ)のプロフィール

名前日車寛見(ひぐるまひろみ)
等級不明
年齢36歳
誕生日不明
出身地不明
身長175㎝前後(約173㎝の虎杖と同じ位か、やや大きい位に見える)
体重不明
趣味・特技:不明

日車は黒髪の短髪にスーツと、いかにも弁護士らしい風貌をしています。
襟元には弁護士バッジが付いており、第143話で首元だけ描かれた、弁護士バッジを付けて血まみれでフラフラと歩いていた男と、同一人物であると考えられています。

呪術廻戦 日車寛見(ひぐるまひろみ)生い立ち

「天才」

現在岩手弁護士会に所属している弁護士・日車は、T大学法学部の卒業生とのこと。
T大学とは恐らく東京大学を指しているものと思われ、言わずもがな日本一の大学ですが、そのT大学への受験や、法科大学院導入前の旧司法試験など、あらゆる難関をストレートで通過してきており、いわゆる「天才」でした。
しかし日車本人にとってそれらは、必要な知識を入力し、必要なだけ出力する「簡単な作業」に過ぎなかったそうです。

呪術廻戦 日車寛見(ひぐるまひろみ)の人物像・エピソード

法の下の平等のために、目を瞑りたくない

元々は呪術とは無関係の非術師で、弁護士をしていた日車。
本編から約2年前の2016年3月、岩手県盛岡市で、女児とその母親計2人の刺殺体が自宅で見つかるという事件が発生。
日車はこの事件の容疑者・大江圭太の弁護人を担当していました。
事件現場の近くに住んでいた大江。

逮捕までの経緯は、大江が巡回中の警官からの職務質問中に逃亡し、自宅に駆け込んだ所、追いかけてきた警官が血の付いた刃物を発見し、現行犯逮捕した、というもの。
その後のDNA鑑定で、刃物の血痕と被害者のDNAが一致しており、大江による犯行はほぼ間違いないものと思われていました。
しかし日車は、無罪を訴える大江の言葉に真摯に耳を傾けていました。
職務質問中に逃亡した理由として、大江は「猫を飼っていたから、このまま捕まってしまったら、猫が死んでしまうと思ったから」と語り、凶器となった包丁が自宅にあった事も、「拾ったんです。俺のじゃない」と涙を流して日車に伝えます。

この話を聞いた日車の助手は「それは無理があるでしょ~」と、当然の意見を述べ、日車も大江の言い分に無理があることは重々承知していました。
しかし、大江が職務質問にトラウマがあることや、住み込みで働いているNPO法人がグレーな団体で、救急車やパトカーを呼んではいけない決まりになっていた、という背景を考慮し、「職務質問からは猫の為に逃亡し、凶器は後で届け出ようとしていた」という大江の供述がありえないことではない、「大江がシロの可能性は十二分にある」と冷静に判断していました。
そこからは寝る間も惜しんで調査を進めた日車。
助手は、「国選なんてギャラ安いくせにやる事多いんだから」「世論は有罪一色だし」「やるだけ損でしょ」とやや呆れていましたが、日車がこうも一生懸命なのには、過去に飲酒運転による危険運転致傷の容疑者の弁護を担当した時のことが影響していました。

被告人は19才で、飲酒も運転も職場の人達に強要されたものでしたが、関係者に口裏を合わせられて示談金も用意できず、執行猶予も取ることができませんでした。
その被告人に「嘘つき」と理不尽に責められた日車。
しかし、彼ら(弱者)は経済的にも精神的にも追い詰められていて、自分に当たるのは無理もない、とし、そもそも「弱者救済など掲げてはいません」と言います。
昔から、自分がおかしいと感じたことを放っておけない性分で、それが治っていないだけだと。
そして「正義の女神は法の下の平等のために目を塞ぎ、人々は保身のためならあらゆることに目を瞑る」「そんな中、縋りついてきた手を振り払わない様に、私だけは目を開けていたい」と、尊い信念を語っています。
そんな信念を元に望んだ大江の裁判。
一審では見事無罪の判決を受けたものの、二審では判決が覆り、大江には無期懲役が言い渡されました。

呪術廻戦 日車寛見(ひぐるまひろみ)の関係者

伏黒恵

19歳の被告や大江のように「法の下の平等があるために、真実が霞む」という事実を目の当たりにした日車は「時に法は無力だ」と感じるようになりました。

その為、死滅回游における「前項(術式覚醒後19日以内に、任意の結界内で死滅回游への参加を宣誓する)に違反したプレイヤーは術式を剝奪される」、「参加または点取得後、19日以内に得点の変動が見られない場合、術式を剝奪される」というような、”ルールを犯した者が物理法則の様に罰せられる”という総則を”素晴らしいこと”と捉えていました。
もちろん、総則に問題があるのは認めつつ、死滅回游のこういった土台となるシステムは見守りたい、という姿勢です。

こういった日車の見解に対し、思い出されるのは恵の信念ではないでしょうか。
恵も、「因果応報は全自動ではない」「悪人は法の下で初めて裁かれる」と、「法の下の平等」があるが故に、悪人がその法をかいくぐって平然と暮らしていたり、その反対に、善人が被害を被るような、「法の無力さ」を痛感せざるを得ない現実に憤りを感じていました。
その上で呪術師というのは「報いの歯車の1つ」と捉え、自分は呪術師として悪人に”報い”を与え「不平等に人を助ける」と考えています。
日車と根底にあるものはほとんど同じように思えますが、恵が「不平等に人を助ける」のに対し、日車は「平等に人を裁く」という、僅かな違いがあります。
現在恵は日車と対峙していませんが、2人の理論がどうぶつかるのかと、期待する読者の声が挙がっています。

呪術廻戦 日車寛見(ひぐるまひろみ)の能力

領域展開「誅伏賜死」

虎杖との戦闘が開始するなり、日車は領域を展開しています。
日車の領域「誅伏賜死」は、弁護士らしい、対象を裁判にかける領域です。
日車が原告側に、対象者が被告側に立ち、日車の背後には、「私だけは目を開けていたい」と語った過去の日車と相反する、目を縫われた式神”ジャッジマン”が登場。
ジャッジマンは領域内の者の全てを把握しており、対象が過去に犯した罪を、対象に問います。
更に日車に、罪の証拠となるものが入った封筒が手渡されます。
その証拠は、必ずしも罪を確定するものではないですが、日車やジャッジマンがその内容を教えてくれるわけではないので、対象は証拠の存在を考慮しつつ、言い分を述べて疑いを晴らし、ジャッジマンから無罪を勝ち取らなければ、「没収」されてしまいます。
「没収」となるのは対象の「術式」で、一時的に相手の術式の使用を不可能にすることが出来るのです。
ちなみに、もし対象が虎杖のように術式を持っていない場合、呪力自体が没収されます。
また、本当の裁判と同じ様に、被告となった対象が「やり直し」を求めれば、二審、三審、と裁判が進んでいくようです。
領域内における物理的攻撃は、日車も対象も、双方禁止されています。

領域展開といえば、呪力で構築した生得領域内で発動した術式が「必中必殺」となる、1級呪術師として非常に高い戦闘力を誇る七海ですらたどり着けなかった呪術の極致です。
しかし、天元によると、昔の術師にとっての領域展開は、今よりもずっとスタンダードなものであり、「必中必殺」ではなく「必中」の効果のみを付与した領域がほとんどだったんだとか。
「領域内の対象に、自身の術式を強制する」、これが昔の一般的な領域展開で、「必殺」に拘るあまり、領域展開のハードルが上がっていったそうです。
日車の「誅伏賜死」は、まさに昔の領域展開と同じで、「必殺」の効果はなく、「対象に物理的攻撃をしないこと」、「ある程度ルールを説明する」という縛りで成立しているものでした。

日車の術式には、この領域がデフォルトで備わっていました。
日車は自らの術式を解明することで、結界術の基礎をも同時に習得し、そこから逆算して、呪力操作による強化術の勘を掴みました。
こうして、術式開花からわずか12日間で、1級術師と比べても遜色ないレベルまで成長しています。

呪術廻戦 日車寛見(ひぐるまひろみ)の現在の立ち位置 2021年11月時点

羂索によって術式を与えられ、術師に

渋谷事変後半、呪霊操術によって真人の「無為転変」の術式を抽出した羂索。

そして、これまでに”マーキング”してきたという非術師に、遠隔で無為転変を発動させます。
マーキングされた非術師のタイプは二種類。

①羂索が1000年前から契約した術師の成れの果てである呪物を取り込ませた者
②術式を所持しているが、脳の形が非術師の者
です。

それぞれの脳の形を、無為転変で術師のものに整えて呪術を与えました。
そして彼らを、強制的に死滅回游のプレイヤーとして参加させたのです。
日車もこうして羂索に呪術を与えられた者の1人で、②のタイプでした。
突然呪術を得た日車は、大江の裁判の二審で、無期懲役が下った大江に睨まれたその時、「やり直しだ」と、領域を展開しています。

その後死滅回游に参加し、20人以上を殺して102点を獲得。
現在100点以上の得点を保持しているのは、日車の他に鹿紫雲一のみです。

呪術廻戦 日車寛見(ひぐるまひろみ)の最新の状況 2021年11月時点

虎杖と戦闘に

死滅回游の平定に向けて動いている虎杖達。
まずは巻き込まれてしまった津美紀を救うべく、100点以上持っていてルール追加をする気がない者を伸して、その得点を使って津美紀が回游を抜けられるようなルールを追加することを目的に据えていました。
そうすれば虎杖達は、人を殺さずともルール追加ができる、というわけです。
そこでコガネに100点以上持っているプレイヤーをリストアップさせ、その名が浮上した日車。
虎杖と恵は日車のいる東京第一コロニーに入り、日車を追います。

そして、虎杖が先に日車と対峙。
日車は池袋にある劇場を拠点としており、ステージ上に置いたバスタブに服を着たまま浸かっていました。
その理由については「最近色々とどうでもよくなってな。やってはいけないと思い込んでいたことにチャレンジしているんだ」と語っており、大江の一件を経て、そういった考えになったであろうことが伺えます。
虎杖はそんな日車の口ぶりに、日車は呪物が受肉した過去の術師ではなく、現代の術師だと気付き、「話が通じる!」と判断。
「死滅回游を終わらせたい」「そのためのルール追加に日車の100点を使わせてくれ」と素直に申し出ますが、先述の通り、死滅回游の「ルールを犯した者が物理法則の様に罰せられるシステム」に魅力を感じていた日車が断ったため、戦闘に。

早速領域を展開し、ジャッジマンは虎杖に「18歳未満であるにも関わらず、パチンコ店”マジベガス”に客として入店した疑いがある」という罪状を言い渡します。
この時日車に渡された証拠は、”マジベガス”内にいる虎杖の写真ではなく、換金所にいる写真だった為、虎杖は「そんな店知らない」と容疑を否認していれば無罪を勝ち取れた訳ですが、「トイレを借りる為に入店した」と”遊戯目的での入店に対する否認”をして、入店したことは認めてしまったため、ジャッジマンが下した判決は「有罪」。
呪力を没収されてしまいます。

通常、領域展開で術式を奪われた術師は、基礎的な呪力操作までもグダグダとなり、日車の初撃で勝負を決めることが出来ていたようですが、虎杖は別格でした。
術式どころか呪力自体を奪われているのに、日車と対等に渡り合っており、日車は驚愕しています。
その後、虎杖が「やり直し」を叫び二審、となったのですが、そこで虎杖に問われたのは、渋谷事変における大量殺人の疑いです。
それを聞いた虎杖は、日車を真っ直ぐ見つめて「俺が殺した。これは嘘でも否定でもない」と、自分の罪を認めました。
そしてジャッジマンが下したのは「死刑」。

日車のガベルが、斬られた者を例外なく殺害する「処刑人の剣」へと姿を変えます。
その時日車の脳裏に浮かんだのは「裁判官を目指してみないか」と言われた時のこと。
当時の日車は、被害者の弱さ、加害者の弱さと毎日毎日向き合い、他人に歩み寄る度、”醜い”と思うようになっていました。
虎杖に対しても「人は皆!弱く醜い!」と叫び、向かっています。
日車は、裁判中に手渡された証拠を見て、渋谷における大量殺人は虎杖ではなく、宿儺によるものだと気が付いていました。
それなのになぜ、虎杖が罪を認めたのか。
日車は思い返すのです。

「あの時」までは、他の生物にはない人間の弱さ、その穢れこそ、尊ぶべきだと思っていたことを。
そして術式を解き、虎杖の攻撃をモロに食らいました。
日車は「刑法39条1項だ」と呟き「弁識能力と制御能力、いずれかが欠けていると心神喪失となる」「渋谷での君は宿儺に肉体を乗っ取られていた。つまり、制御できてなかった」「自発的に制御能力を放棄したわけでもない。つまり、無罪だ。君に罪はない」と虎杖に言い渡します。
更に日車は「100点をやる」と、自らの得点を虎杖に譲渡するのです。
日車が無罪だ、と言っても、あれは自分の弱さのせいだ、答えた虎杖。
尊ぶべきだと思っていたその「弱さ」を持つ虎杖のまっすぐな瞳に、日車の心が突き動かされたのかもしれません。

日車寛見(ひぐるまひろみ)についての考察

日車が、七海の初期設定をなぞっている説

「幼魚と逆罰」編で登場した七海建人。
「大人には子供を守る義務がある」と、大人として正しい考えを持った尊い人物で、虎杖を物理的にも精神的にも守り、導いてくれた恩人でしたが、渋谷事変で命を落としています。
そんな七海の初期設定はなんと、呪詛師としてスタートさせる予定だったとのこと。
ブラック企業に勤めていた非術師だった七海が、呪術を得て、会社の人間を皆殺しにして呪詛師となり、虎杖と最初は敵対していたものの、最終的には仲間になる、というストーリーだったそうです。
この設定、日車のエピソードとかなり似ていますよね。
日車は羂索によって突然呪術を与えられ、その力で大江の裁判で領域展開をしてその場の人間を殺害し、虎杖とも戦闘になりましたが、最終的には100点を譲渡してくれました。
そして更に日車は、宿儺の大量殺人を自分のせいだ、といって己を責める虎杖に「無罪だ。君に罪はない」と言い切りました。
順平の母親が宿儺の指に寄せられた呪霊に殺された時、七海は虎杖にその事実を伏せ「彼の場合、不要な責任を感じるでしょう」と言っていましたが、日車の「無罪」という発言と、通ずるものがあります。
現在、七海や夜蛾が死亡し、五条も封印され、宿儺を宿した虎杖を守り、理解してくれる大人が次々と姿を消す中、彼らに代わって虎杖に寄り添ってくれる”大人”がやっと登場したのかもしれません。

呪術廻戦 キャラ解説(ネタバレ注意)